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川口能活選手引退
今シーズンをもって25年間の現役生活に別れを告げる川口能活選手。
身長のハンデを物ともせず長く活躍してきた背景にはプレースタイルと一言では現せない独特の長所があり、それは育成年代のゴールキーパーにとっても参考になると思い、私なりにその"スゴさ"を列挙してみた。
川口選手のすごいところ
アグレッシブなポジショニングと姿勢
そしてそれを可能にするアジリティ、身体能力の高さ。
またスピードだけが取り上げられがちだが、確実にシュートを弾き返せる上半身のパワー。
守護神にふさわしい立ち振舞い
ここぞという場面、チームの最大のピンチでその実力を発揮する。彼自身も「チームのピンチの時、絶体絶命の時にこそ力を発揮できる」と語っている。
多くの挫折や失敗も経験してきた
頭蓋骨の骨折や、すねの骨折、またGKには付き物の失点に繋がるようなミス。これらを経験しながらもクラブでも代表でも結果を残し続けた、その背景にはゴールキーパーにとってゴールキーピングこそが、すなわちシュートストップこそが重要であると常に高い向上心を持ちトレーニングに励んだのだろうと思う。
彼から学ぶべき事、そして次世代のゴールキーパーへ
ゴールキーパーは常に背水の陣に立たされ、劣性を優勢に変えるべく様々な手段で臨む。そんな中で川口選手の流れを読む力、プレーやコーチングで味方を鼓舞する姿は育成年代のゴールキーパーにとっても良いお手本になるだろう。
彼の考えはいたってシンプルだ。
「重心を低く保ち常にボールや回りの状況に注視する」
「積極的に前へ出て、相手との間合いを詰め、プレッシャーを掛ける」
「ピンチの時にこそ自らを奮い立たせて防ぐ」
私自身、ゴールキーピングのプレーモデルに据えて特徴やプレーから垣間見える思考のような部分(例えば攻めの姿勢)を真似ていた。
そして、フィードキックやパントキックの精度も参考にした、本当に総合力でも高いレベルだったのだ。
不器用な彼が言葉以外に残したものの功績は計り知れない。
なぜ身長170cm代でここまでの成績を納めることが出来たのか、その分析は必ずや今後多くのゴールキーパーやゴールキーパーを目指す子ども達にとっても有益な情報となるだろう。
川口選手への感謝と愛を込めて。
そして、25年間本当にお疲れ様でした。