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指導者としてゴールキーパーという存在を深めていくことの重要性

こんばんは。 
 
Cgk代表の池田朋也です。 
 
昨今、サッカーに関する情報が多く世の中に出回るようになりました。 
 
海外のどこどこの国は、どんな戦術で、どんな育成をして、どんな指導者養成をして、といように。 
 
もちろん、それはGKも同じで「どうすれば失点を防げるか」という情報はかなり多く出回っています。 
 
もちろん、そのような情報は「勝つこと上手くなること」という文脈の上では重要でしょう。 
 
ただ、我々Cgkは、そもそもサッカーにおいて「GK」とはどのような存在であるのか、そういったことを掘り下げていく先に、「GKへのあこがれ」であったり「GKの重要性」がより広がっていくのではないかと考えています。 
 
勝つこと上手くなること、という文脈は一度脇に置き、GKという存在を深めることが、ここ日本においては重要なのではないでしょうか。 
 
以下、Football Coaching Laboratoryに掲載された、私の執筆した記事になります。ぜひご覧ください。 
 
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サッカーをより面白くする存在 ゴールキーパーという唯一無二のポジションについて考える 

 
サッカーの母国(英国)におけるGKの歴史は「サッカーの誕生=GKの誕生」ではないということはご存じだろうか。 
 
当初のフットボールは、パスや守備よりもドリブルで邁進することが勇気あるプレーとみなされており、そうしたプレーで目立ちたい選手に比べ身体的に劣り、やる気がなく頑張りが足らない者が半ば罰を受けるようにゴールライン上に立たされていたり、ディフェンスの中で最もゴールに近い所にいる選手がゴールを守る役割を務めているだけで、GKという概念は存在していなかったのだ。 
 
その後、FA(フットボールアソシエーション)が設立されたことや、スポーツが「楽しむ」「教育になる」ものから「勝敗を競い合う」ものへと変化するにつれ、徐々に「ゴールを奪う」という意識だけではゲームに勝利することができず、「ゴールを守る」という意識が強く芽生え始め「ゴールを守るものとしての存在」にも注目が集まっていった。 
 
そして、サッカーに関する様々なルールが整備されていく中で「ゴールを守るために手を使う自由を与えられる存在」としてゴールキーパーが規定に組み込まれ、コート上のどこでも手を使える→ハーフェーライン内のみ→ペナルティエリア内のみ、というルールの変遷を経て、今日的なGKは誕生した。 
 
GKは自然発生的な流れやルールの整備などを経て、サッカーという極端にゴールの発生しづらいスポーツを象徴する存在となったのだ。 
 

GKに求められること

GKが誕生して100余年。 
 
サッカーは多くの人々を魅了するスポーツとなったが、サッカーをより面白いものにするのがGKの存在である。 
 
誰もが期待する歓喜の瞬間を全力で阻止するのが最高のミッションであり、そこに心血を注ぐのだ。 
 
シュートを止められため息を漏らす観客、天を仰ぎ地面にひれ伏せる相手選手の脇で雄叫びを上げ、ゴールという歓喜を阻み「勝利」を呼び込む。 
 
戦況に応じ戦略を立てる知性と、文字通りゴールを死守する勇敢な姿はまさに最後の砦。 
 
GKの役割とは「ゴールを阻む手段を試合で全うする事」である。 
 
それはどの時代にも順応し名声を得た歴代のGK達を見ればわかる。 
 
如何にしてゴールを守るかはゴールライン近くでシュートを待つことも、積極的にペナルティエリアを飛び出しボールに関与することもどちらも正解なのである。 
 
現代サッカーにおいては、守備範囲の広さやディストリビューション(配給)の正確さとアイディアがGKとしてのスタンダードになりつつあるが、「ゴールキーパーの本質」とは「ゴールを守るという事を起点に自分自身で思考し行動する事」に本当の価値があることに気付くべきだろう。 
 
歴代の猛者達は、しなやかな身のこなしを求めバレエを習ったり、他競技の動きを取り入れたりして、「如何にして相手のゴールを阻むか」を考えアプローチし続けてきたのである。 
 

GKという唯一無二のポジション

ジュニア年代においてGKは「余った選手がやるポジション」という認識や「GKよりもFPをやりたい」と思う選手が多いのかもしれない。 
 
ただ、GKという存在はサッカーというスポーツを面白くする唯一無二のポジションであり、勝敗を決定するとても重要な存在であるということを忘れないでほしい。 
 
足でボールを扱いゴールを奪うだけではなく、手を使いゴールを阻止するのもまたサッカーなのだ。 
 
得点を奪うたけが勝利に貢献するわけではなく、得点を防ぐことも勝利に貢献することなのである。 
 
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もちろん、このようなことを考えたからと言って、すぐに選手が上手くなるわけでも、チームが勝てるようになる訳でもありません。 
 
ただし、サッカーやGKの歴史に目を向け、その存在の深さを知り胸に刻むことは、サッカーやGKに向かい合う指導者としては非常に大事なことだと思うのです。 
 
Cgk代表 池田朋也

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